男性女性
左室拡張末期径(mm) 48±4 44±3
左室収縮末期径(mm) 30±4 28±3
左室拡張末期容積係数(mL/m2) 53±11 49±11
左室収縮末期容積係数(mL/m2) 19±5 17±5
左室駆出率(%) 64±5 66±5
左室重量係数(g/m2) 76±16 70±14
左房径(mm) 32±4 31±3
左房容積係数(mL/m2) 24±7 25±8
右室拡張末期径(mm) 31±5 28±5
(心尖部四腔断面像で計測)
右室拡張末期面積(cm2) 16±4 13±3
(心尖部四腔断面像で計測)
右室面積変化率(%) 44±13 46±11
(心尖部四腔断面像で計測)
E/E’(中隔) 7.4±2.2 7.9±2.2
E’(中隔,cm/s) 10.0±2.8 10.8±3.2
E/E’(側壁) 5.5±1.8 6.2±1.8
E’(側壁,cm/s) 13.5±3.9 13.7±4.1
Tei index(左室) 0.35±0.10 0.33±0.09
正常虚血性MR
左室
左房
右室
右房
ICT: Isovolumic Contraction Time
IRT: Isovolumic Relaxation Time
ET: Ejection Time
Tei index
= (a -b) / b
左室圧= (ICT + IRT) / ET
ICT
左房圧
大動脈圧
ET
b時間
a時間
IRT
a = 421
msecb = 313
msec
自他覚症状、病歴、家族歴 身体所見 心電図 胸部X 線 血液検査、尿検査で貧血、腎機能障害、
肝機能障害等の有無をチェック
明白な心不全所見が揃っているか?
心不全を想定して検査を進める
他臓器疾患による症状であることが明白とする根拠を得た場合
他臓器疾患が明らかではない場合
経胸壁心エコー
(エコー画像が不明瞭であればMRI,RI 検査,CT など他の画像診断)
EF<40~50%
収縮性が低下した心不全
・基礎疾患の診断に必要な検査(さらに詳細な病歴聴取なども)
・治療法決定に必要な検査
十分な治療を行った上で治療効果判定,心不全重症度評価(予後規定因子)
左室拡張末期容積(径)
左室駆出率
左室流入血流速波形(E/A,DT)
左房容積(径)
左室重量係数
肺動脈圧(三尖弁逆流血流速から評価)
BNP ないしNT-proBNP
他臓器障害の程度(腎機能障害,貧血等)
左室収縮性が保持された心不全を疑う
Yes Yes Yes Yes Yes Yes Yes Yes No No No No No No No No
弁膜症の所見
左室拡大の所見高心拍出状態を示唆
先天性心疾患の所見先天性心疾患
弁膜症
心膜疾患の所見
肺高血圧の所見

右室の著明な拡大
左房拡大の欠如
心膜疾患
肺動脈性肺高血圧
心エコーにて心不全と考え診療を進める
・基礎疾患の診断に必要な検査(さらに詳細な病歴聴取なども含む)
・治療法決定に必要な検査
1),2),3),4)の
いずれかYes
1),2),3),4)の
いずれもNo 心不全の可能性は低い
虚血性心疾患は否定的であるが,症状などから心不全の疑いを強く持たざるを得ない場合は経過観察とし,時間をおいて再検査を行う.あるいは運動負荷試験を併用する.
呼吸器疾患など他臓器疾患を念頭に置いた検査を進める
BNP>100pg/mLあるいはNT-proBNP>400pg/mL
1)E/E’>15
2)E/E’8~15
   +
BNP>200pg/mLあるいはNT-proBNP>900pg/mL
3)E/E’8~15あるいはBNP>200pg/mLあるいはNT-proBNP>900pg/mL
   +
RAd-Ad>30msec.あるいは左房容積係数(LAVI)>40mL/m2(左房径であれば>40mm)
あるいは左室重量係数(LVMI)>110g/m2(男)>100g/m2(女)あるいは心房細動
4)平均肺動脈楔入圧>12 mmHg
十分な治療を行った上で治療効果判定,心不全重症度評価(診断の過程で異常値を示した項目の経過追跡等)
4 心機能評価
図1 心不全診断のフローチャート12)-14)
 
図2 ドプラ心エコー法によるTei indexの計測
図3 弁尖閉鎖位置による虚血性僧帽弁逆流の診断
健常例では,収縮中期心尖四腔断面において弁尖は弁輪レベル
(左図白矢印)まで閉鎖する(左図黄色矢印).しかし,虚血性・
機能性僧帽弁逆流例では弁尖は弁輪レベルまで到達できず心尖
方向へ変位したまま閉鎖する(右図ピンク矢印).
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表2 心機能評価に用いる指標の日本人の正常値
(経胸壁心エコー・ドプラ法を使用)
Ⅰ 慢性心不全病態と診断 > 2 慢性心不全診断の実際 > 4 心機能評価
慢性心不全治療ガイドライン(2010年改訂版)
Guidelines for Treatment of Chronic Heart Failure(JCS 2010)