入浴は慢性心不全患者において禁忌ではなく,適切な入浴法を用いればむしろ負荷軽減効果により臨床症状の改善をもたらすことが示されている154).熱いお湯は交感神経緊張をもたらすこと,深く湯につかると静水圧により静脈環流量が増して心内圧を上昇させることから温度は40~ 41℃,鎖骨下までの深さの半座位浴で,時間は10分以内がよいとされる.また,低温サウナも重症慢性心不全患者の治療に有効であるとする報告があるが155),生命予後の改善効果があるかどうかについてはまだ明らかではない.
9 入浴
慢性心不全治療ガイドライン(2010年改訂版)
Guidelines for Treatment of Chronic Heart Failure(JCS 2010)