心不全において,ACE阻害薬に関しては,12の大規模臨床試験のメタ解析により,男性ではACE阻害薬の有用性が示されたが,女性ではその有用性を認めなかっ
287).この結果には女性症例が男性の20%と少ないことが影響している可能性がある.

 β遮断薬に関しては,4つの大規模臨床試験のメタ解析により男女ともに有用性を認めた287)

 ARBに関しては,Val-HeFTでは,女性でバルサルタン投与により死亡率と合併症発症率を有意に減少させた(P= 0.0435)が,男性は減少傾向にとどまった(P=
0.0528)419).CHARM-Overallでは,男女ともにカンデサルタンによる全死亡の低下が認められた404)

 DIGのサブ解析において,男性ではジゴキシン投与により総死亡が低下したが,女性では増加した167).しかし,SOLVDのサブ解析では,ジギタリスにより男女とも総死亡率は低下した420).女性の体格を考慮してジギタリス投与量を調節する必要がある.

 抗アルドステロン薬に関しては,スピロノラクトンとエプレレノンともに男女において心不全に対する有用性が示された38),39)
1 薬物療法
Ⅱ 慢性心不全の治療 > 4 性差の違いを考慮した心不全治療 > 1 薬物療法
次へ
慢性心不全治療ガイドライン(2010年改訂版)
Guidelines for Treatment of Chronic Heart Failure(JCS 2010)